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『ふることふひと』は飛鳥ロマン

天の岩戸神話

戦国時代の作品が続いたので、今回は飛鳥時代を舞台にしたものを。
今回紹介する歴史漫画は『ふることふひと』(風越洞×壱村仁)です。
主人公は中臣史(なかとみのふひと)と太安萬侶(おおのやすまろ)。古事記の編纂作業を軸にした宮廷ミステリーといった作品です。

(2020/4/15に1巻発売予定です)

目次

舞台は飛鳥時代後期!

歴史漫画というと戦国時代、続いて幕末を時代背景とした作品が多いですね。有名な人物も多いし、ドラマにしやすいエピソードもあるし、記録もたくさん残ってますからね。

これが飛鳥時代となると資料も限られてくるから歴史漫画としては描きづらいところだと思います。しかし、裏を返せば想像の入り込む余地がたくさんありますから、本作のような創作部分を編み込んだストーリー展開も可能という次第です。

本作は飛鳥時代と言っても壬申の乱後の天武天皇治世下の時代が舞台です。この壬申の乱で中臣氏は敗れた天智天皇系統の近淡海(おうみ)朝(近江朝)についたため冷遇されており、当時幼くて戦に参加しなかった史が長じて宮廷に出仕しても状況は変わっていませんでした。
大化の改新の立役者である中臣鎌足の実子でありながら、反逆者の一族出身ということで、宮廷で後ろ指をさされながら下級官吏(大舎人(おおとねり))としての日々を過ごします。

古事記の作成を命じられる

ある日、天武天皇から古事記の作成を命じられる史(史実では元明天皇に命じられた太安萬侶が編纂を命じられて稗田阿礼の協力を得て完成させたことになっています)。
史が正統な神話を暗記していることから抜擢されたのですが、そうなるよう手配していたのは父の中臣鎌足でした。
功労者として名を残すことを嫌った史は、稗田氏の女性が神話を語った体(てい)にすることを提案します。

さらに天武天皇は当時公文書として使用されていた漢文ではなく、大和ことばを使うよう求めます。大和ことばに疎い史は太安萬侶を推薦しますが、これは史が女装して(稗田阿礼として)安萬侶との共同作業に当たらなくてはならないことを意味しました(笑。

歴史ミステリー!史の出生の秘密?!

「父親が中臣鎌足で史(ふひと)という名前ということは、藤原不比等のことでしょ?」
と察しの良い歴史愛好家の方はお気づきかと思います。

史自身の出生の秘密とは?
古事記に隠されたメッセージはなにか?
史に古事記作成を命じた天武天皇の思惑は?

まだ連載の序盤ですが謎が謎を呼ぶ伏線が出てきており、歴史ミステリー要素もあいまって古代が題材の作品ですが次はどうなるのか気になってしまいます。

「ふることふひと」とは?

ひらがなで書かれたタイトルにも幾つか意味が隠されていそうです。ふひとは主人公の中臣史を指しているとして、『「ふるこ」と「史(ふひと)」』となるのか、『「古事(ふること)」「史(ふひと)」』となるのか、はたまた別の意味を持つのかは、これからの連載で明らかになるかと思われます。

これからの展開が楽しみですね。

天の岩戸神話

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