MENU

『小学館版 学習まんが・少年少女日本の歴史』はあおむら純の一大長編

Japanese classical buildings

※「歴史漫画レビュー」カテゴリーでは、主に海士堂が読んだ歴史漫画の紹介や感想を記載します。

目次

小学館版 学習まんが・少年少女日本の歴史の特長とおすすめする理由

第1回でご紹介するのは『小学館版 学習まんが・少年少女日本の歴史』です。

『陽だまりの樹』や『風雲児たち』といった歴史漫画の大作も青年誌を中心に数多く発表されていますが、小学生から(場合によっては幼稚園からでも?)読める学習漫画も大人が読んでも面白い内容ですし、学習参考用という目的で描かれているため歴史考証もしっかりされており、歴史漫画を語る上で外せません。

他の出版社からも同じシリーズの歴史漫画は出てるよね?

他の出版社からも同様の学習漫画は発売されているのですが、小学館版は、あおむら純先生が全巻を通じて作画を担当されている点が最大の特長です。
例えば、徳川家康は戦国時代と江戸時代で活躍しましたが、幕末でも過去の事績を振り返るシーンなどで登場することなどがあります。この時、戦国時代編、江戸時代初期編、幕末編で作画担当者が異なると徳川家康のキャラ絵はバラバラに描かれます。
読書側からすると徳川家康の印象が変わることとなり、学習用の観点からは覚えにくくなってしまいます。

1人の作家が描いてればいいなら石ノ森章太郎の『マンガ日本の歴史』は?

石ノ森章太郎の『マンガ日本の歴史』シリーズは確かにお一人で描かれており、迫力のあるシーン描写には思わず引き込まれてしまういます。
歴史エンターテインメント作品として考えるととても素晴らしい作品だと考えています。
しかし、歴史上の主要人物(またはその巻で主人公設定となっているキャラクター)に焦点を当ててドラマ仕立てに展開しているため、歴史上マイナーだけど、学習用には押さえておかないといけない人物や事象が省略されていることがあります。
こうした理由から、事実ベースで描かれている小学館版に学習用漫画としての軍配が上がります。

一方であおむら先生が全巻描かれていることがネックになる点もあります。
画風の好みは人それぞれなので、あおむら先生の絵柄が合わない人も中にはいるかもしれません。
私は絵が出しゃばらず、似顔絵などを基に誠実なキャラクター作りをされ、淡々と歴史ストーリーを紡いでいかれるあおむら先生の絵柄が好きです。

なお、最近出版された22巻の平成の30年編は、森本一樹先生が作画を担当されています。

小学館には特設コーナーもありますが、これまでに累計売上2002万部とか…ロングセラーですから出版社側も力が入りますね。
「小学館版学習まんが 少年少女 日本の歴史」|小学館

学研、集英社や角川にも特設サイトがありました。さすが少年ジャンプの集英社、荒木飛呂彦先生他、人気漫画家のイラストをつけるなど各社で特色を出そうと競争されています。

Japanese classical buildings

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次